バンクシー 「この瞬間から絶望は終わり戦術が始まる」FROM THIS MOMENT DESPAIR ENDS AND TACTICS BEGIN

 バンクシーの「この瞬間から絶望は終わり戦術が始まる/FROM THIS MOMENT DESPAIR ENDS AND TACTICS BEGIN」は、現代社会の複雑な問題に対する鋭い洞察を覚えます。このフレーズは、単なるスローガンに留まらず、行動を促す強いメッセージを含んでいます。

ー背景ー

 この作品が見つかったのはロンドンの中心部で、温暖化対策を求めるデモが2週間近く行われていた場所です。作品の中にデモ隊のロゴマークも描かれています。気候変動に対する行動の必要性を強く促しているように感じます。

ー絶望と行動の対比ー

 この作品は、絶望的な状況に直面したときにただ悲観的になるのではなく、具体的なアクションを取ることの重要性を強調しています。バンクシーは、無力感を感じることが多い現代人に対して、立ち上がり変化をもたらすための「戦術」を考えることを提案しています。

ー視覚的効果ー

 作品の中には、少女、小さな苗、子ども用のスコップが描かれています。未来の自然環境を担う子どもがその第一歩として小さな苗を植えています。これを責任ある世代の我々が壊していい理由などあるはずがありません。

ー環境保護団体エクスティンクション・レベリオン

 環境保護団体エクスティンション・レベリオンは、イギリスにて地球温暖化や人類の絶滅・地球全体の崩壊について有効的な政策の欠如に対して抗議し、温暖化に対して政治的な決断を促す団体です。作中で少女が持っているのが、この団体のシンボルマークです。

ーバンクシーの哲学ー

バンクシーの作品は、反体制的な姿勢や権力への批判が根底にあります。このフレーズにおいても彼は権力や不正に対抗するために必要な行動を取ることの重要性を訴えています。バンクシーのアートは、観る人々に対して「変化は可能であり、それを実現するためには行動が必要だ」というメッセージを届けています。

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壁画制作のイッシュウ

画像引用 https://ja.wikipedia.org/wiki/banksy